コラム

東日本の震災で起こった原発事故の原因は地震によるものなのか、

それとも津波によるものなのかがまだ詳しく分かっていません。

詳細な調査をしたくても、放射線量が多すぎて危険であるからです。  

この先、我が国で原発を運用するにしても停止するにしても、

この原発事故を教訓にしなければ ならないのですが、そのような事情できちんとした調査ができない以上、

教訓は十分に得られないので 疑わしきは国民の利益としなければならないでしょう。  

しかも、全ての原発が稼動停止であるにも関わらず電力の供給不足になってはいないので、

国際収支が赤字になる副作用はあるものの、原発を全廃することにあまり不都合はないようにも思われます。

さらには、原発廃止の国民におけるコンセンサスはほぼ得られていると思われるので、

原発はすぐにでも廃止できそうな雰囲気が漂っています。  

しかし、原発1基を廃炉するだけでもかなりの時間と労力が必要になり、

国内全体の原子炉を全て廃炉するには30年以上の歳月が必要です。  

そのために、その間にも原子力技術者を養成し続けることは不可欠です。

一方で、原発肯定論者の中には30年もの間、現存する原発を遊ばせておくのは不経済であるとの意見もあります。  

原発をやめるには、どうしても長い年月が必要であることを覚悟しないといけないのです。