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コラム
新しい技術ナノアンテナ
これまでにない新しい太陽光発電の技術として「ナノアンテナ」が提案されています。
ナノアンテナとは文字通りナノサイズのアンテナで、熱線や可視光線・紫外線を吸収できるアンテナのことです。
ナノアンテナが吸収した高周波電流を整流できたなら、高効率な太陽電池になるのですが、
今のところ極めて高い周波数の高周波電流を整流する技術は未確立です。
そのため、既存の太陽電池の効率を高めるための集光技術として応用されるのが現実的ではないかと言われています。
しかしながら、このナノアンテナは熱エネルギーを吸収できる訳ですから、発電の為ではなく、
むしろ節電のための技術として大成する可能性があるのではないでしょうか。
夏場の電力消費の主役であるエアコンを例にとれば、ナノアンテナは熱を吸収できるので消費電力なしの
エアコンの実現の可能性も考えられます。
吸収した熱は光ファイバなどを通じて熱線として周りの空間に放射すれば、周囲の温度を上げることもありません。
また、熱を吸収する性質があるので、これを用いて高効率な給湯システムを開発できる可能性もあります。
一般家庭で最もエネルギーを消費するのは給湯・暖房などの発熱機器なので、
節電だけでなくガスなどの燃料節減にも貢献できるのではないでしょうか。
実際にはまだまだ開発段階であり、利用されるのには時間が必要だと思いますが、小さいけれども、
大きな可能性を持っている素子であると言えるでしょう。