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コラム
シェールガス革命後の世界エネルギー事情
今、世界のエネルギー事情は大きく変わろうとしています。
その一端を担っているのがシェールガスです。
2000年代に入り新技術が確立されたことによって、シェールガスの生産量が一気に増加し、
それまでは採算性に疑問符のついていたこのガス資源は一躍脚光を浴びることとなりました。
そうした流れの中で、市場における天然ガス価格は下落傾向にあります。
この煽りを一番に受けたのがロシアですが、天然ガス埋蔵量世界第一位を誇るロシアは今、頭を悩ませています。
この動きが最近一番端的に表れたのが今年5月の中国に対する天然ガス輸出の長期契約の締結報道でした。
向こう30年間東シベリアで産出される天然ガスを中国に輸出するというものですが、
ロシア側は価格面で大きく譲歩したとも報道されています。
また、一部ではロシア政府がサハリンと北海道を結ぶ天然ガスパイプラインの建設を
日本側に提案している、とも報道されています。
原発停止後、世界最大の液化天然ガス輸入国となっている日本にターゲットを絞ってきたとも考えられます。
こうした動きの一方で、昨年にはアメリカのエネルギー省がシェールガスの対日輸出解禁を発表し、
2017年中には対日輸出が始まるともみられています。
日本にとってはエネルギー資源調達先を複数持つことは価格交渉などの面で有利に立てるため、
シェールガス革命は日本にとっても恩恵があったというふうにとらえることもできるでしょう。
ただ、シェールガスにはその採掘方法による環境汚染や供給過剰による値崩れも指摘されており、
長期的な視点で見れば太陽光や風力、地熱といった再生可能エネルギーの有意性はとても大きいと思います。
日本には、短期的な経済効率に目を奪われすぎないようにしてもらいたいと思います。