COLUMN
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コラム
宇宙太陽光発電は宇宙の放送局
前回、宇宙太陽光発電についてお話しましたが、 ちょっと複雑な宇宙太陽光発電システムの説明を
するのは難しいので、これを「宇宙の放送局」に例えて 説明してみましょう。
衛星放送に用いられる放送衛星は、地球の放送局から発射される電波を中継するだけなので 宇宙の放送局とは
言えないのですが、これには宇宙に放送のシステムが全て揃っています。
ただ異なる点は、通常の放送局は音声・映像やデータを放送するのですが、宇宙太陽光発電は言わば電気を放送するのです。
太陽電池パネルで発電した電気エネルギーを、大型の真空管(クライストロンなど)を用いて
マイクロ波という電波のエネルギーに変換します。
ここまでは通常の放送局とさほど変わらなのですが、宇宙の放送局は音声などを放送することはないので、
この電波を変調せずにそのまま地球に向けて発射します。
その電波を地球局のアンテナが「受信」し、マイクロ波のエネルギーは高周波電流のエネルギーに変換されるのです。
この電流はそのままでは使えないので、ショットキーダイオードなどからなる整流回路を用いて直流の電気エネルギーに変換し、
さらにこれを商用周波数の交流電気に変換して電力網に乗せ、 最終的に消費地に送られます。
つまり、整流回路と電力会社がラジオ・テレビなどの受信機で、電力消費者がリスナーや視聴者ということになります。
ちょっと複雑なシステムのように感じますが、大きな可能性を秘めた壮大なシステムです。